久留里線(久留里駅~上総亀山駅)廃線について 木原線(現:いすみ鉄道)と繋がっていたら存続はできたか  

キハE130形 久留里線

 JR東日本は、2024年(令和6年)11月27日のプレスリリースにてJR久留里線のうち久留里駅(千葉県君津町)~上総亀山駅(千葉県君津市)の区間について、廃線にして自動車による交通体系にシフトすると発表しました。災害・整備新幹線による経営分離以外でのJR東日本の在来線の廃止は初めてのケースであり、同様の状況にある吾妻線(万座・鹿沢口~大前)の存廃の議論に影響を与えると思われます。

JR久留里線(久留里・上総亀山間)の新たな交通体系について

JR東日本ホームページより

久留里線について

 JR久留里線は、JR内房線の木更津駅(千葉県木更津市)から途中の久留里駅(千葉県君津市)を経由し上総亀山駅(千葉県君津市)までを結ぶ路線で、今回の廃線の区間はすべて君津市内となります。

  • 路線 木更津駅~上総亀山駅(32.2キロメートル)
  • 駅数 14
  • 非電化単線
  • 軌間 1,067ミリメートル(狭軌)
  • 輸送密度(2023年度(令和5年度)) 771(全線)、木更津駅~久留里駅 1,072、久留里駅~上総亀山駅 64
  • 営業係数(2022年度(令和4年度))木更津駅~久留里駅 1,153、久留里駅~上総亀山駅 16,281
  • 列車本数(2025年3月15日改正) 木更津駅~久留里駅 17往復 久留里駅~上総亀山駅 下り8本 上り9本

廃線について

 今回廃止となる区間は、輸送状況が良くないことは知っていましたが、個人的にはあっさり決まったという感じが一番です。毎年のように減便されていきいつの間にか、大半の列車が乗り換えとなり今回の発表といイメージです。対象となる自治体が君津市だけだっということもあり話があっさりと進んでいったものと思われます。

 私が、乗車した際にも久留里駅で大半の人が降車して車内は鉄道ファンらしき人が数名という状況でした。上総亀山駅に着いた際も、取りあえず列車から降りて写真を撮って戻ってくる人だけでした。盲腸線でこの状況だと廃線を選択したのもやむを得ないかもしれないと感じています。

 廃線後は、久留里駅が終点となりますが木更津駅~久留里駅間も輸送密度が1,000程度であり、盲腸線であることを考えると将来は安泰ではないでしょう。以前、久留里線を運行していた車両(キハ30形・キハ37形・キハ38形)は、岡山県の水島臨海鉄道で現役で活躍しています。岡山に来られた際は一度乗ってみて下さい。ただし、平日のラッシュ時のみの運行なので土曜休日は乗ることはできません。

国鉄「木原線」と繋がっていたら廃線は避けられたか

 私の考えでは無理だったと思います。内房地区と外房地区を繋ぐ路線になっていたとはいえ、外房線の大原駅まで繋がっていたとしても、現状のいすみ鉄道いすみ線の輸送密度294(令和2年度)を考慮すると路線自体の輸送密度が500を下回り路線全体の存廃に繋がっていた可能すらあると思われます。

 今後は、廃線区間については、久留里駅行きのへのバス転換になりそうですが、千葉中央バスの「カピーナ号」が1日9往復あるようなのでダイヤを調整して使いやすいようにしてもらいたいと思います。

カピーナ号ダイヤ:千葉~鴨川線 | 高速バス | 千葉中央バス株式会社

 カピーナ号は久留里駅に停車しますので、代わりとなるバスの設定次第では県庁所在地である千葉市内にも行きやすくなると思われます。バスドライバー不足の現状ですので決断が遅くなると減便される恐れもあります。そういう意味では、国土交通省を巻き込んで再構築協議会を開いて3年後の結論を待つよりは良い結果が得られるかもしれません。

まとめ

 JR久留里線の久留里駅から上総亀山駅間は、バス転換されることがほぼ確実になっています。今後の地域の足として住民が利用できるような形でのダイヤ設定・久留里駅に停車するバス路線の「カピーナ号」との連携が求められていると思います。

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