現在多くの特急列車が運行している山陰本線(鳥取駅~益田駅)ですが、沿線の人口は決して多くはなく編成も短い列車が多くなっています。特急列車だけの利用者について正確に把握することは不可能ですが、普通列車の利用者の利用者数も含まれている輸送密度の数字を用いて将来の姿を検討してみたいと思います。
鳥取駅~益田駅間の特急列車と輸送密度
区間 | 輸送密度 | 特急 | ||
鳥取~倉吉 | 3,461 | スーパーはくと 5往復 | スーパーまつかぜ 7.5往復 | スーパーおき 2往復 |
倉吉~米子 | スーパーまつかぜ 7.5往復 | スーパーおき 2往復 | ||
米子~出雲市 | 5,188 | やくも 15往復 | スーパーまつかぜ 4往復 | スーパーおき 3往復 |
出雲市~益田 | 932 | スーパーまつかぜ 4往復 | スーパーおき 3往復 |
それぞれの特急について
スーパーはくと
京都・大阪の関西方面と鳥取を智頭急行経由で結んでいる特急です。5両編成で運行しているため利用客の少ない鳥取駅~倉吉駅間については、減便もしくは廃止したいとJR西日本は考えていると思います。近いうちに話が出てくるでしょう。その場合、「スーパーまつかぜ」「スーパーおき」と「スーパーはくと」を鳥取駅で接続する形で減便もしくは廃止となるものと思われます。
ただし、この場合は智頭急行の経営に大きな影響が出るため実行するためのハードルは高いと思います。車両使用料の減少により智頭急行が破産する可能性を考えるとストップがかかりそうな気もします。
山陰地区を運行しませんが、岡山駅と鳥取駅を結ぶ「スーパーいなば」についても、上郡駅での「スーパーはくと」への接続という形で運行区間の短縮が図られる可能性があります。列車名は「リレーはくと」とでもなるのでしょうか。
スーパーまつかぜ・スーパーおき
中国地方の山陰地区を東西に結ぶ重要な列車です。山陰地区の都市間輸送を主な役割としています。この列車に使われているキハ187系は、地方自体の援助が入っている車両ですのでよほどのことがない限り減便はないと思われます。「スーパーまつかぜ2号」以外は、原則2両での運行ですので減車もないでしょう。山陰地区を運行する特急列車の中では、一番安泰だと思います。
ただし、利用者の少ない出雲市より西の区間については、1~2往復程度の減便が行われる可能性があると思います。
スーパーやくも
11編成44両で運行していますが、繁忙期の対策のため増備が決定しています。
1編成が4両である事、伯耆大山駅~出雲市駅が「スーパーまつかぜ」「スーパーおき」と運行区間が重なっていて特急列車の運転本数が必要以上に多くなっている現状があり、繁忙期以外は過剰輸送になっている面があります。将来的には、観光客の少ない時間帯については5往復程度、岡山駅~松江駅間の運行とするか、同じく5往復程度臨時列車化する可能性が考えられます。
車両自体は、増備されましたが「やくも」自体の将来は決して明るいものではないと思います。
サンライズ出雲
寝台特急「サンライズ出雲」ですが、後継の車両が製造されるかどうかで存続が決まると思います。こればかりはJR西日本だけでなくJR東海・JR東日本の以降もあるのでどうなるか現時点では想像はできません。鉄道ファン的には残してほしい列車ではありますがどうなるでしょうか。
まとめ
中国地方の山陰地区を運行する特急列車については、今のところ厳しい状況に置かれているのが現状だと思います。できればこの予想は当たらないことを祈りたいと思います。
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