JR日本は2024年12月13日にダイヤ改正を今年3月15日(土)に行うと発表しました。大糸線では、利用者の少ない普通列車の削減(1往復)と時刻変更(1往復)が入っていました。さらに、特急「あずさ5号」とその折り返しである「あずさ38号」の運転区間を短縮(南小谷ー白馬)することがプレスリリースに入っていました。一方で、JR西日本はJR東に日本の鉄道区間である白馬までのバスを大糸線活性化協議会・大糸線利用促進輸送強化期成同盟会と協力して走らせています。今後の、白馬以北の大糸線のあり方が見直される時期が来ています。また、「あずさ5号」の上り列車の時刻から、名古屋からの臨時列車「しなの81号」「しなの84号」の廃止される可能性があります。
JR東日本ホームページより
JR西日本ホームページより
JR東日本区間(白馬ー南小谷)
運転本数および輸送密度
()は、特急列車運転本数です。
区間 | 1987年 | 2000年 | 2024年 |
松本ー豊科 | 31(2) 臨時特急 2 | 29(2) 臨時特急:急行 6 臨時快速 1 | 25(1) 臨時特急 1 臨時快速 1 |
豊科ー 信濃大町 | 31(2) 内10本穂高行き 臨時特急 2 | 29(2) 内7本穂高・有明行き 臨時特急・急行 6 臨時快速 1 | 25(1) 内4本穂高・有明行き 臨時特急・快速 1 臨時快速 1 |
信濃大町ー 白馬 | 11(1) 臨時特急 2 | 13(2) 臨時特急・急行 6 臨時快速 1 | 11(1) 臨時特急 1 臨時快速 1 |
白馬ー 南小谷 | 11(0) 臨時特急 1 | 11(2) 臨時特急 1 | 10(1) 臨時快速 1 |
区間 | 1987年度 | 2023年度 |
松本ー豊科 | 13,717 | 8,525 |
豊科ー 信濃大町 | 6,907 | 3,372 |
信濃大町ー 白馬 | 2,688 | 770 |
白馬ー 南小谷 | 1,719 | 189 |
利用状況の考察
大糸線全線で、輸送密度が下がっており、信濃大町より北は大きく減っています。特に、信濃大町から南小谷の区間は大きく数字を落としています。これは、1997年(平成19年)10月1日に開業した北陸新幹線(当時は長野行新幹線)のより、観光客の移動が長野までは新幹線、長野化から白馬まではバス利用に流れたからでしょう。それに加えスキー客・登山客向けの臨時列車が減らされておりこれらの利用者が鉄道から流れていると想像できます。アルペンルートに行った時に北陸本線往復ルートを使って乗車した際、南小谷駅で接続がなかったので白馬駅で駅員さんに白馬駅と南小谷駅とどちらが時間がつぶせるか聞いたところ「白馬のほうがいい。南小谷は何もないよ。」と言われたのを覚えています。実際のところ白馬も観光客を重視しているので私には楽しめませんでした。
一方、白馬ー南小谷間は、主に地元の利用者の減少によるものと考えられます。この数値で10本の列車を運行しているのは、かなりの負担となっているものでしょう。ただ、南小谷より北は、盲腸線ではくJR西日本のエリアなので簡単にはダイヤをいじれない事情があると思います。
JR西日本区間(南小谷ー糸魚川間)
運転本数および輸送密度
次は、JR西日本の区間を見てみましょう。
区間 | 1988 | 2000 | 2024 |
南小谷ー 糸魚川 | 7 内平岩発1 | 14 内平岩発3 | 9 内平岩発2 |
区間 | 1987年度 | 2023年度 |
南小谷ー 糸魚川 | 987 | 110 |
利用状況の考察
こちらについては、日常利用が大半を占めるので、沿線人口の減少と車の普及の影響が強く出ています。JR西日本も、列車を増発して利用促進をしましたが結果が出ずに減便したといったところでしょう。この区間は、キハ52系の時代に夕方利用しましたが車には数人の乗客しかいませんでした。対向列車も同様でしたので、この輸送密度は納得の数字です。ちなみに、レンガ車庫の残っていた時期の平日に乗車しました。新幹線・在来線との接続も悪いので、大糸線内の利用がほとんどだと思います。
今後の行方について
気になることとして、JR西日本が大糸線活性化協議会・大糸線利用促進輸送強化期成同盟会と連携して、観光用のバスを糸魚川駅とJR東日本の白馬駅の間で運行しています。また、赤字ローカル線の利用促進の話し合いを自治体をしています。存廃の前提を置かないとのことですが輸送密度をみるとJR側には、廃線のカードも入っていると思います。JR東日本も、白馬駅以北は可能なら廃線にしたいと考えているでしょうから一気に話が進む可能性が出てきました。
この区間は、JR西日本にとっては完全な飛び地になっておりキハ120系3本で運用している状態です。車両の面でもコストがかかるため、廃線にしたいと強く思っているでしょう。先日、越後トキめき鉄道の鳥塚 亮社長が、大糸線を運行したいとの気持ちがあると発言しますので、可能ならば越後トキめき鉄道の路線として残すのがよいのではないかと思います。夕方の時間に訪問したので外の景色が楽しめなったのでもう一度行きたいと思っています。
同じく、存廃の議論の対象となっている路線の記事です。よろしければ見てくください。
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