三次市と広島市を結ぶ交通機関は、高速バスとJR芸備線の二つがあります。広島市は、広島駅の「ミナモア」開業により今後状況が変わる可能性がありますが、町の中心地区としての機能は高速バスの発着する「紙屋町」付近となっています。一方で、JR芸備線は広島駅から市内の中心部には、路面電車・市内バスによる移動が必要となり不利な状況にあります。そこで、設定されたきっぷが「バス&レールどっちも割きっぷ2025」であり、三次市の補助を受けて毎年設定されています。
JR西日本ホームページ
バスと芸備線の比較
バス
- 本数が多い(27本・日中でも1時間にほぼ2本)
- 値段が安い(広島バスセンター・広島駅へ1,720円)
- 広島市中心部の紙屋町への時間が列車より速い(1時間20分)
- 途中で降りることが難しい(バス停の設定が難しい)
JR芸備線
- 本数がバスより少ない(平日16.5本・土休日18.5本)
- 値段が高い(三次駅~広島駅間で1,520円+路面電車240円=1,760円)
- 広島市市街地への距離がある。(路面電車・バスでの移動が必要)
- 途中で降りることが出来る(料金は高くなりますが)
バス&レールどっちも割きっぷ2025
三次市の補助により販売されているきっぷで往復2,000円となっています。また、三次市内の駐車場料金の補助と三次市街地ローカルバス市内1日フリー乗車券を200円で販売(三次市内販売分)・タクシー400円券(広島市内発売分)が特典としてついてきます。JR芸備線は、下深川駅~三次駅の輸送密度が2023年度で998であり、今すぐにはないと思いますが将来的には路線の存廃の議論の対象となることもあり得ます。
このきっぷの影響だけでなく、関係者の努力もあると思いますが、コロナ前の輸送密度(この時は、狩留家駅~三次駅間で出されていますが、利用者的には今の計算区間より少なくなります)が2018年度で713であり、今の方が3割以上高い数値となっており数字を大きく伸ばしていることの一つの原因となっています。
また、広島駅の施設「ミナモア」の開業により紙屋町での需要だけでなく、三次市からの広島駅への買い物需要は、高くなると思われ「バス&レールどっちも割きっぷ2025」の利用はさらに増加するものと思われます。
このきっぷの成功の原因
高速バスと芸備線の住み分けがされていて両方の用途を満たすことが出来るのが一番の理由でしょう。これについては、他の地域でも参考にできる所があるのではないでしょうか。また、大胆な料金設定と二次交通との組み合わせといった点も見過ごすことが出来ないと思います。
鉄道路線は、設定区間の変更は大変ですがバスはその点については柔軟な対応が可能です。ここ以外にも、同様の方法がとれる場所というのはあるのではないでしょうか。鉄道路線の存廃の議論の段階でこのような施策をとってもたいていの場合は手遅れとなります。三次市のように先手を打った交通政策が今後公共交通を支える手段になるのではないでしょうか。
まとめ
広島県の三次市は、バスとJRの乗車券がセットになった「バス&レールどっちも割きっぷ2025」を1,000円で販売しています。輸送密度が1,000位の内であればまだ手を打つことのできる事例として他の自治体も検討してみる価値はあるのではないでしょうか。
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