JR山田線、106バスとの共同実験延長決定 #利用者への周知がなされていないのでは

記事とは関係ないですがキハ52系です。 東北地区

 JR東日本は、本日(2月17日の)プレスリリースにて岩手県北自動車株式会社との共同経営の認可を得たと発表しました。これにより今度5年間JRのきっぷ(トクトク切符は除く)での「106急行バス」「106特急バス」(以降「106バス」と表記します)での乗車が可能になります(盛岡駅ー上米内駅を除く)。

https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20250217_mr01.pdf

JR東日本ホームページより
106バス

共同実験の内容

 現在、JR東日本はJR山田線と岩手県北自動車株式会社が運行する「106バス」との間で、JRの乗車券でバスの乗車が可能となる共同実験を行っており、以下の内容となっています。

  • JRの乗車券(トクトクきっぷを除く)で「106バス」に乗車可能(盛岡駅~上米内駅間の利用は対象外)
  • 「106バス」の乗車券等でJR山田線は乗車できない
  • JR山田線の運賃は盛岡駅~宮古駅間で1,980円・「106バス」は、2,200円
  • 2026年春からは、JR東日本は2,090円
  • 「106バス」は、回数券があり2回分が4,000円(1回2,000円・1か月有効)4回分で7,800円(1回1,950円・3か月有効)、Web版は2回分3,900円・4回分7,800円
  • 「106バス」は車内でWi-fiが使用できる。

 回数券を使うと「106バス」の方がお得となります。ただ、将来値上げがある可能性もあるので最終的にはどうかは分かりません。

実証実験の結果

4 2024年度の実証実験の概要
(1)取組み内容
2024 年 4 月 1 日(火)~2025 年 3 月 31 日(月)の 1年間、山田線盛岡駅~宮古駅間(上盛岡駅、山岸
駅、上米内駅を除く)を有効区間とするJRの乗車券類で106バスを利用できる実証実験を実施して
います。
(2) 振り返り
利用実績 JR乗車券類でバスをご利用になられた人数 1日平均約34人
(2024 年4月1日~2025年1月31日)
利用傾向 下り(宮古行)よりも上り(盛岡行)のご利用が2割程度多い
8 割程度が直通(盛岡~宮古間)のご利用
コメント J R :公共交通の利便性向上につながったものと考えています。
県北バス:実証実験においては、盛岡-宮古間の地元利用に加えて、発着地が仙台や首都
圏のお客さまも多く、当初の想定以上に首都圏など県外からのニーズがある
ことがわかりました。

JR東日本公式ホームページより引用

 となっています。また、JR東日本は3月15日(土)のダイヤ改正でJR山田線の減便を行います。

 2023年度のJR山田線の上米内駅~宮古駅間の輸送密度は、JR東日本が71とホームページで公開しています。また、昨年は豪雨被害・落ち葉による車輪の空転を避けるために上米内~川内間で1か月間の運休を行っています。1日平均でJR乗車券でのバスの利用者数34人というのは少ない気がします(ほとんどが盛岡~宮古間の利用とあるので、鉄道ファン以外は東北本線・釜石線・三陸鉄道ルートは使わないでしょう)。

 実際のところバスの回数券の存在を知らない人や普通に運賃を払っていた人が多いのではないでしょうか。2024年度の輸送密度が出ないことには判断できませんがこの数字には納得がいかない点があります。私は、この制度を知らなかった人が相当数いたものと考えています。

 JRの乗車券でバスを利用した人をJR山田線の輸送密度に入れるかは不明ですが、もし入れないのであれば廃線を前提とした実験のように感じます。「106バス」も以前は20本ありましたが現在は減便され12本となっています。バスは鉄道に比べ簡単に減便・廃止できますので利用者には長期的にはマイナスの結果となるかもしれません。

まとめ

 JR東日本は、岩手県北自動車株式会社と共同経営を進めていく予定ですが、将来の廃線を視野に入れたものであるように感じます。実際、利便性とコストを考えればバスの方が圧倒的に優位と言わざるを得ない状況ですが、その意図を隠したうえでの実証実験には疑問を感じます。私は、茂市駅で乗り換えをしましたが高低差が結構あり年配の方には大変だと思いました。すべて合理性だけで判断せず地元の利用者の意見で最適な答えを出してほしいと思います。

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