1月25日の午後0時50分ごろJR七尾線、津端駅ー中津幡駅間で、車両の屋根部分からから発火するという事件が発生しました。この事件により、JR七尾線は、22本の列車が運休し1,700人余りに影響がでました。原因は、デッドセクション(直流電気と交流電気との切りかえのために架線に電気を流していない区間)通過する際に切り替えを忘れたためのようです。
北陸・東北・九州地区では、電化工事の際の費用を抑えることができるため交流電化されている路線がほとんどですが、JR七尾線は直流電化されています。理由は、トンネル工事の際に交流(20,000ボルト)の場合直流(1,500ボルト)より、天井を高くするする必要があり建設コストが高いためあえて直流電化したと聞いています。ちなみに関東地方の常磐線・つくばエクスプレスが交流電化されているのは、地磁気研究所の観測データに影響がでるためです。仙山線が1968年に全線交流としたのは、実験としてであり建築コストのためではありません。
さて、JR七尾線1991年に直流電化された時点では、津端駅から輪島駅までの区間が七尾線でした。当時、七尾線電化に関して、JR西日本が津端駅から和倉温泉駅間を運行する代わりに七尾駅(七尾駅ー和倉温泉駅間は、JR西日本、のと鉄道が列車を走らせている区間となりますが別路線扱いです。)より北の部分であるのと鉄道七尾線(通称輪島線(穴水駅ー輪島駅)と能登線(穴水駅ー蛸島駅)の運行をすることになりました。しかし、経営不振により2001年には輪島線を2005年には七尾線についても(穴水駅ー蛸島駅)が廃止されました。なお、沿線住民の利便を考え、列車の運行はIRいしかわ鉄道に乗り入れ金沢駅まで運転となっています。和倉温泉より北の和倉温泉駅から穴水駅間については、鉄道設備の保有はJR西日本が所有しのと鉄道が線路使用料を払って運転しています(のと鉄道が第2種鉄道事業者、JR西日本が第3種鉄道事業者)。
今回の事故は、JR七尾線の津端駅と中津幡駅の間で発生しました。該当列車は845M(金沢駅12時31分発七尾駅14時14分着 521系2両編成)です。デッドセクションといえば何の事だろうと思う人もいるかもしれませんが、取手駅を出た時・「雷鳥(サンダーバードではなく国鉄色の電車)」・関門海峡で九州についた時に数秒間電気が消える所です。今は、車両がよくなり電気は消えなくなりましたが(関門海峡は除く)列車の運転では、厄介な場所となります。
JR西日本より正式なプレスリリースは出ていませんが、事故があった区間で交流から直流に切り替える操作を忘れたためでしょう。521系は、新しい車両ですので操作ミスに対応できると思っていましたがハード面の対応はできておらず運転手だよりになっていたと推測します。
ここ最近、昨年の12月の伯備線布原駅での信号確認ミス、各地での脱線、車軸の不正等の重大事故につながりかねない案件が続いていますが、運転手・保線要員のミスというよりは職場環境の悪化・人手不足・ヒューマンエラーをサポートする設備の不十分によるところが大きいと思います。実際運転手ですと最終列車を運転して仮眠後に翌日の始発列車を運転するということは、当たり前のように行われています。今一度、いろいろな面で再確認を行い改善していく必要があると感じます。
(1月30日追加)JR西日本よりプレスリリースがありました。
JR西日本ホームページより
宣伝になってしまいますが、伯備線での安全側線への乗り上げについては当ブログでも取り扱いましたのでよければ見ていってください。
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