2月7日に京都府亀岡市は、JR西日本の株式30,000株を取得したと発表しました。目的は、コロナにより減便された区間の列車の複便を求めるためとしています。JR山陰本線の複線化のために多額の支出を行ったにもかかわらず、減便を行ったJRに対して意見を言えるようにするためとのことです。
亀岡駅のダイヤ(2024年改正時)
利用に対して本数が少ないということですので取りあえず亀岡駅の時刻表を見てみましょう。
下り(園部方面) | 平日 | 上り(京都方面) | ||||
特急 | 普通・快速(亀岡以降各駅停車) | 普通・快速(亀岡まで各駅停車) | 特急 | |||
当駅止まり | 発車時刻 | 発車時刻 | 当駅始発 | |||
58 | 5 | 00 | 29 | |||
50 | 31 | 6 | 04 21 37 55 | |||
51 | 24 47 | 04 30 37 | 7 | 10 18 23 34 42 47 | 05 28 56 | 00 |
55 | 03 14 25 34 45 | 8 | 05 17 30 46 56 | 03 | ||
01 37 | 09 21 55 | 9 | 20 36 | 14 52 | 49 | |
25 | 28 | 10 | 20 32 | 36 | 49 | |
43 | 39 | 28 | 11 | 06 32 | 21 36 | 50 |
43 | 10 25 39 | 28 | 12 | 32 | 06 21 36 | 49 |
43 | 10 25 39 | 28 | 13 | 32 | 06 21 36 | 49 |
43 | 10 25 39 | 28 | 14 | 32 | 06 21 36 | 49 |
43 | 10 25 | 28 55 | 15 | 33 | 06 18 35 | 49 |
18 39 | 28 56 | 16 | 05 21 33 44 | 35 | 49 | |
47 | 26 | 08 30 50 | 17 | 07 33 52 | 21 36 | 50 |
49 | 05 27 | 00 13 30 51 | 18 | 08 33 52 | 21 36 | 49 |
46 | 06 27 | 00 14 30 48 | 19 | 09 34 48 | 21 38 | |
56 | 06 36 | 00 15 30 58 | 20 | 06 37 57 | 21 | 04 |
11 28 57 | 21 | 45 | 24 | |||
13 33 54 | 22 | 06 36 | ||||
14 34 54 | 23 | 12 | ||||
15 | 0 |
ラッシュ時とデータイムでは完全にダイヤが変わっています。通勤・通学利用が多いことがよくわかります。確かに亀岡以北については12時から15時は不便だと思います。しかも快速通過駅に行くのには亀岡駅で10分程度待つ必要があります。
輸送密度は、2023年度の数値で京都ー園部間で40,397となっています。岡山地区で例えるなら、山陽本線の岡山ー福山間が2023年度が33,106ですので2割程度多くなっています。ただ、ここで本数が大きく変わるのであれば駅の利用者数が違うのかもしれません。
駅別利用者(亀岡ー園部)
京都府の統計資料から数値を持ってきてみましょう。
複線化する前の2000年(平成12年)、複線化後の2008年度(平成20年度)、コロナ前の2018年度(平成30年度)、コロナ後の2022年度(令和4年度)の数値を示します。
駅名 | 2000年 | 2008年 | 2018年 | 2022年 |
亀岡 | 9,622 | 9,567 | 8,852 | 7,945 |
並河 | 2,718 | 3,055 | 3,293 | 2,740 |
千代川 | 2,049 | 2,085 | 2,205 | 2,044 |
八木 | 1,792 | 1,630 | 1,507 | 1,255 |
吉富 | 123 | 386 | 540 | 425 |
園部 | 4,134 | 4,490 | 4,614 | 4,140 |
2022年度は、コロナからの回復が完全ではなかったことを考慮すれば日中1時間1本は確かに少ないような気がします。通勤通学時間帯は十分な本数が確保されているように感じます。
解決策は?
221系もしくは223系の4~8両編成で運行されています。亀岡市の問題は、電車の混雑よりも本数が少ないことだと思いますので本来なら減車して増便が有効なパターンです。しかし、インバウンド需要によりJR山陰本線(JR嵯峨野線)自体が不足している状況で減車はできません。
そうすると、増便しかないわけですが、複線区間ですので亀岡止まりの列車の運転区間を延長する方法が考えられます。しかし、JR西日本によれば車両不足が深刻だということなのでこれも難しいと思います。
他の地区から車両を持ってくるという手もありますが、現況のダイヤを維持するとした場合、JR山陰本線(JR嵯峨野線)の最高速度時速130キロメートル(221系もあるので実際は時速120キロメートル)に対応する車両を捻出するのは困難でしょう。実際、対象となる車両は検討がつきません(岡山・福山地区は余剰車はありますが時速100キロメートル)。
JR西日本は、車両の他に関空特急「はるか」の山科駅延長により100億円が必要となりますので車両の製造も難しそうです。すると、列車密度の比較的低い亀岡ー園部間の区間列車を増発するしかないでしょう。この区間なら115系(最高速度 時速100キロメートル)を持ってきても何とかなるでしょう。115系は車齢が高いので数年の時間稼ぎにしかなりませんが取りあえずはしのげるのではないでしょうか。
非現実的な案としては、「嵯峨野観光鉄道」の運行を止めて線路容量を増やす方法も考えられますが、利益が減少するのでJR西日本は選ばないと思います。
亀岡市が取得したJR西日本の株式30,000株だと発言権はあるそうですが、株を持つということは、JR西日本の経営に参加することになります。経費が増えるような提案をすることが果たして正しいのかは考える必要がありますが一つの方法だとは思います。
まとめ
株の保有の問題は置いておくとしても、亀岡駅以北の増便は必要だと思います。現実的には、古い車両での区間運転で取りあえず凌ぐのが取りあえずの方法でしょう。
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