南海電鉄は、大阪府の路線である高師浜線(羽衣駅~高師浜駅間 1.4㎞)で、運転士の免許を持たない乗務員が運転席に座った状態での自動運転(自動化レベルGOA2.5)を2027年度(令和9年)から開始すると発表しました。南海電鉄では、2022年度(令和4年度)から和歌山港線(和歌山市駅~和歌山港駅間 2.8㎞)で延べ7,200㎞の走行試験を行っていました。これにより、運行コストを抑えることが可能となりより効率的な運営が可能となります。
南海電鉄ホームページ
なお、南海電鉄は2025年3月22日から南海本線(泉佐野駅~和歌山市駅間)で車掌の乗務しないワンマン運転を4両編成の列車の一部で行っています。
自動運転のレベルと内容
自動運転は、GOA0~4までのレベルがあり、今回南海電鉄「高師浜線」で導入されるのは、GOA2.5というレベルとなります。
GOA0
列車に、一切の自動運転システムを導入していない状態での運行です。運転士が全ての運転作業を行い、車掌が車内の安全確保・ドアの開閉・運行状況のアナウンス・切符販売・確認などを実施レベルが該当します。現在では、このレベルでの運行形態を採用している鉄道会社はほとんどありません。
GOA1
通常の運転操作は、運転士が行いますが速度超過時の自動減速・事故発生時の自動停止については、自動運転装置がサポートを行います。ATSなどの装置を備えた状態での運行が該当します。
GOA2
運転士が行う操作は、基本的にドアの開閉と発進のみとなります。運転士は基本的には、非常時の操作のみとなります。導入されているのは、東京メトロ・大阪メトロなどの地下鉄路線・つくばエキスプレスなどで採用されている方式です。
GOT2.5
このレベルからは、運転士ではなく乗務員での運行が可能になります。今回、南海電鉄が採用するものこのレベルになります。現在、JR九州の香椎線(西戸崎駅~宇美駅間 25.4㎞)で2024年(令和6年)から採用されています。乗務員の作業は、非常時の停車と非難の誘導がメインとなります。
GOT3
ここまでくると、列車の発進・緊急時の停車もシステムが行うことになります。ドアの開閉と避難誘導を担当する乗務員のみでの運行することが可能です。採用例としては、千葉県のJR東日本舞浜駅と東京ディズニーリゾートの各施設とを繋いでいる環状モノレール「舞浜リゾートライン」があります。
GOT4
完全な無人運転で車内には乗務員はいません(非常時等の運転のための訓練等で乗務している場合はあります。)。広島のアストラムライン・東京臨海線ゆりかもめ・金沢シーサイドラインなどが代表例です。海外では、時速130㎞で運行さる鉄道もあるようです。
南海電鉄「高師浜線」の場合
「GOTレベルの2.5」での運行となります。したがって、運転席には運転士資格を持たない乗務員が乗務する形です。運転士資格を持たない乗務員が乗務することで運転士の育成費用・給与等の経費が削減できより効率的な運行がかのうとなります。
まとめ
南海電鉄は、大阪府の路線である「高師浜線」で2027年度から運転士が乗務しない自動運転レベル2.5で列車の運行を行うと発表しました。将来的には、鉄道業界の人材不足の解消に大きな貢献が期待できます。
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