JR西日本グループ、スペースワン株式会社と資本業務提携 #ロケットによる地域活性化

和歌山

 JR西日本は、1月16日にグループ会社である「JR西日本イノベーションズ」は、「スペースワン株式会社」業務資本提携を結んだと発表しました。これによりもたらされるメリットについて検討します。

スペースワン株式会社との資本業務提携について

JR西日本公式ホームページより

現在の状況

  • JR西日本

 JR西日本の路線にである紀勢本線(きのくに線)は、輸送密度が2023年度の値で串本駅を含む新宮ー白浜間で935となっており特急列車の設定が1日6往復(1往復は臨時)、普通列車が8往復であり1000を下回っています。また、紀伊佐野駅より亀山方面に向かう貨物列車も巴川製紙所新宮工場の閉鎖のより1995年より休止され2008年に廃止となっています。特急列車はあるとはいえ路線の存廃が検討される可能性があります。さらに並行する高速道路により自家用車・高速バスへの流動が進んでいます。

・串本町

串本町 地域公共交通計画

串本町ホームページより(23ページから)

 串本町では、ローカル線の主な利用者である高校生の4割弱が鉄道を利用していますが、必要最低限の本数で利用しに通勤利用は約8割が自家用車となっており免許取得後は、ほぼ鉄道を利用していない状況です。観光客を目的とした特急列車についても2021年には、路線の最高速度を下げられています。車両についても振り子付き車両の381系を振り子式ではない287系および289系で置き換えられており所要時間も10分程度増加し新大阪から3時間20分程度要します。また料金は通常期で7790円です。高速道路の開通により今後さらに自家用車利用が増えるでしょう。また、熊野古道などの観光地に路線バスでのアクセスがないのも痛いところです。

・スペースワン株式会社

 民間での宇宙開発を目指してるいるが、JAXAと種子島の知名度が高く周知度が低い。人工衛星の打ち上げの集客は必要。

提携によるメリット

・JR西日本

 グループ会社である日本旅行と連携することでロケット打ちあげツアーを組むことで紀勢本線の利用者数増が見込める。また、ツアーにすることで付加価値をつけられ収益を大きくすることができるでしょう。

・串本町

 

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙関連事業が地域にもたらす経済効果をまとめた。種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)でロケットの打ち上げがあるごとに、見学に訪れる観光客らの消費額が約2400万円見込まれると試算した。同センターが種子島にあることによる全体の経済効果は、計117億3500万円としている。

南日本新聞ホームページより

 ツアーにすることで、町内のホテル・貸し切りバスによる経済効果が期待できるでしょう。ロケット打ち上げによる観光客だけでなく、熊野古道をはじめとした観光地への集客が見込まれ観光業界にとってもプラスになると思います。

・スペースワン株式会社

 知名度のあるJR西日本との連携で知名度あげロケットへの集客が見込まれます。

まとめ

 今回のJR西日本とスペースワン株式会社の業務提携は、一見すると関係がなさそうに見えるが両者だけでなく串本町の3社にとってメリットがありそうです。交通アクセスが種子島よりよいのでやりかた次第では多大な利益をもたらす可能性を感じます。JR東海にとってもチャンスになりそうですがあまり関心がないのでしょうか。新幹線の利益が大きいので関連事業にはあまり関心がないのかもしれませんね。

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