三江線跡地を江の川堤防に活用 川本町国へ寄付の方針

三江線(キハ120系) 三江線

 山陰地区の新聞会社である「山陰中央新報」によると、島根県川本町はJR西日本から譲渡された三江線の跡地を国土交通省に寄付する方針であると3月8日に報道しました。寄付した用地を江の川の堤防かさ上げ工事に活用してもらうことが目的のようです。以前から危険性の指摘されている江の川について河川改良事業の全身に繋がるでしょうか。

堤防かさ上げへ用地寄付 川本町方針 国に三江線跡地

山陰中央新報ホームページ

三江線のデータ

 三江線は、江津駅(島根県江津市)三次駅(広島県三次市)を結んでいたJR西日本の路線で2018年4月1日に廃止されました。広島と島根県西部を結ぶ陰陽連絡線として南北から少しずつ延伸していき1975年8月31日に全線開通を果たしました。

  • 路線 江津駅~三次駅 108.1キロメートル
  • 駅数 35
  • 非電化単線
  • 軌間 1,067㎜(狭軌)
  • 最高速度 江津駅~浜原駅間 時速65㎞・浜原駅~口羽駅間 時速85㎞・口羽駅~三次駅間 時速65㎞
  • 輸送密度 163(2017年度) 最少時 44(2013年度)
  • 列車本数 2005年度 江津駅~浜原駅 5往復(それに加え、石見川本駅~江津間の区間列車が1往復) 浜原駅~三次駅間 4往復(それに加え、口羽駅~三次駅間の区間列車が1往復)

三江線について

 当時は、東の「岩泉線」・西の「三江線」と呼ばれ鉄道ファンなら一度は乗るべき路線として有名な路線でした。「岩泉線」は2010年(平成22年)7月31日の土砂崩れにより不通となり、最終的には2014年4月1日に廃線となっています。

 「三江線」ですが、1930年代から作られた区間は、江の川沿いに線路が引かれていたため線形が悪く時間を要したこと、完成したのが車社会に変わりつつある1975年であったため地域輸送のみの需要しかなく利用が低迷したこともあり陰陽連絡線としての活躍はできませんでした。

 使用されている車両がキハ120系であったため、トイレの設備がなく列車本数が少ないために列車交換のための駅での長時間の停車がないため利用者にとってはトイレとの戦いでした。また、廃線後は地域交通を重要視するため地域ごとに分かれてバス路線化されているため、現在は車での訪問をお勧めします。

江の川の堤防の用地への転用について

 私の住む岡山県では、2018年(平成30年)に倉敷市の小田川が氾濫し、倉敷真備地区に甚大なダメージを与えました。小田川の河川改良計画自体は、50年前からありましたが実行されず2018年の災害があって初めて本格的に行われました。

 それを考えると現在各地で同様に順番待ちとなっている河川があると思われます。江の川については、危険性が以前から指摘されていますが人口が2,946人(2025年2月28日現在)ということを考えると後回しになってしまうのではないでしょうか。また、土地も保有していれば管理に予算が必要となりますので、河川改修工事に着手するまでは国土交通省が寄付を受けない可能性もあります。人の命がかかっていることなので急ぐ必要がありますが、限られた予算の中では当分先の話となるような気がします。

まとめ

 島根県の川本町は、「三江線」の廃線後JR西日本から譲渡された土地について国土交通省に寄付を行い将来の河川改修工事に役立てることになりました。大規模災害が起きる前に計画が完了することが期待されます。

同様に廃線の協議が進んでいる二つの路線です。こちらも近いうちに何か動きがあるでしょうか。

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