昨年(2024年)12月13日に発表された2025年3月15日(土)に行われるJR西日本近畿統括本部ダイヤ改正について見ていきます。今回は4月13日(日)から10月13日(祝)のテコ入れが中心となっています。また、うれしートの設定拡大も見逃せません。
JR西日本公式ホームページより
東海道・山陽新幹線
東海道・山陽新幹線は、以前に岡山地区のダイヤ改正の記事で紹介しましたので、簡略にします。興味がある方は、その時の記事にリンクを張っていますのでそちらで確認してください。
- 山陽新幹線内の速達列車(のぞみ・みずほ・さくら)の1時間あたりの最大運転数の増加
- 臨時扱いとなっている「みずほ」の定期列車化
- 臨時列車鹿児島中央(6時00分発)ー新大阪の「みずほ」および博多行の最終となる「のぞみ」東京(19時00分発)ー新大阪(21時29分着、21時31分発)の設定
- N700Sのみで運転する全27本(下り15本、上り12本)をビジネスブースを設置した車両を使用
- 「のぞみ」3号車を自由席から指定席へ変更
- 16両編成で運転する車両のトイレを女性専用に変更
このように変更されます。「のぞみ」の自由席が少なくなることはちょっと厳しいですが、新大阪発の列車がありますので自由席がよい方はそちらを利用することになるでしょう。
在来線(特急列車)
通勤特急「らくらくはりま」1往復増発
平日に、網干(6時53分)発新大阪行きと、新大阪(18時46分)発網干行きの「らくらくはりま」が新たに設定されました。この時間帯は、始発駅でないと着席は難しいのでありがたいと思います。増便の背景には、利用率が高いことがあるでしょう。
通勤特急「らくらくやまと」停車駅増加
同じく平日運転の「らくらくやまと」が、柏原と八尾に新たに停車します。こちらは、動画に投稿されているように乗車率が今一だったため、「大和路快速」通過駅である両駅に停車し乗車率向上をねらう目的があるのでしょう。
特急「こうのとり」停車駅増加
朝の福知山線(JR宝塚線)を運転する新大阪行きの特急「こうのとり2号・4号」2本が、中山寺・川西池田に停車します。時刻は、中山寺が7時13分と8時19分、川西池田が7時17分と8時23分です。逆方面の三田方面「こうのとり19号・21号・23号」は、川西池田が18時27分、19時27分、20時27分発となっています。これらの特急は、定期券で指定席利用ができる(自由席がない)ため需要が結構あるのでしょう。
「まほろば」定期列車化と臨時1往復増加
ダイヤ改正のプレリリースではなく、臨時列車としての発表でしたが、大阪と奈良をおおさか東線経由で運転されている土休日運転の「まほろば」が、定期列車に格上げされ、さらに臨時列車として1往復増便になります。4月以降683系リニューアル車で運転に変わる予定です。2編成投入される予定となっています。運用自体は1運用でまかなえるダイヤですので、将来運転されるとの発表のあった和倉温泉行き「サンダーバード」での使用が検討されているものと思われます。
在来線(大阪万博関連)
「エキスポライナー」の運転
新大阪から大阪駅地下ホームをとおり桜島線(JRゆめ咲線)を結ぶ直通快速列車「エキスポライナー」が運転されます。停車駅は、新大阪・大阪・ユニバーサルシティ・桜島となっています。桜島方面が14本、新大阪行きが12本となっています。新幹線からの乗り換えが1回ですむので新幹線利用の場合は便利でしょう。10月13日までの設定ですが、ユニバーサルシティ駅にも停車するので利用状況によっては、延長もあり得るかもしれません。私は、将来の大阪IRと併せての実験的な意味合いを持っていると感じています。
大阪環状線・桜島線(JRゆめ咲線)でも、大阪万博の利用者増加に合わせて朝および夜の時間帯に普通列車が増発されます。
A快速増発(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)
平日朝の時間帯に、特別車両を繋いで運転している新快速列車であるA快速を朝の時間帯に3本設定します。対象となる列車は、網干発(列車自体は播州赤穂発)5時57分の列車と姫路発6時41分発・6時59分発です。また、これらの列車に「うれしート」を設定します。現行のダイヤと時刻が違うので朝時間帯の時刻変更もありそうです。
うれしート設定の拡大(嵯峨野線・JR宝塚線・奈良線)
指定席サービス「うれしート」が、次の路線の快速列車で設定されます。
- 山陰本線(嵯峨野線) 平日朝、園部(7時06分、7時17分)発、および平日夕方、京都(19時09分、20時09分)発
山陰本線(嵯峨野線)の設定は、列車最後尾の車掌室の前ではなく、園部方面の車両となりますので注意が必要です。
- 福知山線(JR宝塚線) 平日朝、篠山口(5時26分)発、三田発(7時10分)発、および大阪発(18時24分・18時54分・19時24分・20時24分・21時24分)発の計7本
- 奈良線 平日・土休日のすべての快速列車(区間快速・快速・みやこ路快速)に設定されます。
在来線普通列車(紀勢本線・和歌山線・播但線・山陰本線)
列車の接続時間の改善、発車時刻の変更が行われます(下り列車)。
・紀勢本線(きのくに線)紀伊田辺駅で白浜方面の列車と御坊方面の列車の乗り換え時間の拡大
紀伊田辺駅では、白浜方面からの折り返し列車は3番ホームを使用し、御坊方面への乗り換えが構内階段を使う列車があるため乗り換え時間を増やしたものと思います。
・和歌山線(高野口駅・笠田駅・粉河駅)駅での列車時刻変更
コロナ下での減便された区間ですが、1時間1本では需要を満たせないため時刻変更(増便ではない)が多なわれると思います。ただ、データイムは(五条ー和歌山間)1時間1本のため列車間隔をあける(1時間30分?)のでしょう。
- 播但線・山陰本線での16時台列車の乗り換えが同一ホームで可能になります。
まとめ
今回のダイヤ改正は、主に万博対応と奈良への観光客の誘導を目的としたものとなっています。また、桜島線(ゆめ咲線)への新大阪からの快速列車設定は、一応万博期間の終了とともに終わりますが、利用上次第では定期列車化も考えられます。IR(統合型リゾート)への輸送を考える上での実験の意味合いもあるでしょう。
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