やっと増発山手線 #以前が異常だった

山手線のE235系 東京地区

 昨年12月13日のプレスリリースで山手線のラッシュ時での増発が発表されました。2分30秒間隔での運転を行っていた山手線ですが、コロナ禍による乗客数の減少・在宅ワークの普及との理由で終日(始発・最終列車付近を除く)5分間間隔で運行していました。今回の改正でどうか変わるのでしょうか

2025年3月ダイヤ改正について

JR東日本プレスリリースより

山手線について

山手線の歴史

 当ページを見てくだっさっている方は、ご存じの方が多いと思いますので読み飛ばしてくださって構いません。この記事での山手線は特に断りがない場合は、路線としての山手線(品川ー田端)ではなく環状運転している山手線とします。

 歴史を遡れば、1885年(明治15年)3月1日に日本鉄道が品川ー赤羽間に鉄道を開業したのが始まりとなります。当時は1日数本のみの運行で現在では考えられないものでした。1872年(明治5年)新橋ー横浜間に鉄道が開業した時の運賃が37銭5厘(今の約5,000円)でしたので一般の人にはおいそれと乗れるものではなかったのでしょう。その後1901年(明治31年)8月8日に山手線の名称となります。

 そして、池袋ー田端間が1903年(明治33年)4月1日に開通します。1906年(明治36年)に国有化されます。次いで1919年3月1日には、中央本線と統合し、いわゆる「の」の字型運転を開始します。6年後の中央本線1925年11月1日に東京ー上野間が開業、官営鉄道が先に開通させていた上野ー田端間を統合し、ついに環状運転を始めます。

 太平洋戦争中の1945年(昭和20年)には、空襲により不通となりますが5月29日は運転再開し、1949年「日本国有鉄道」の一路線となります。アメリカ軍が進駐していた時期は、読みにくいという理由で「やまてせん」と呼ばれていました。これは、1971年(昭和46年)3月7日に「やまのてせん」と変更するまで続きました。

 1961年には、「新性能電車」と呼ばれる101系が投入され(当時はカナリアイエロー)、近代化が進みます。ただ、101系は全車電動車であったため電力設備の制限により1963(昭和38)年12月に今の路線カラーである「ウグイス」の電車103系が投入され1988年の6月まで活躍しました。現在は、すべて同じ色で運転されていますが、車両事情によりカラフルな編成を見ることが可能だったそうです。私たちの世代では山手線といえばこの車両のイメージです。

 1985年に、205系が投入されます。車両運用の都合上だと思いますが、山手線で東神奈川行きに表示幕を見たことがあります(横浜線は6両だから転属でしょう)。205系は、2002年(平成14年)4月17日まで山手線の顔として活躍しました。1991年12月1日に今と同じ11両編成となります。東京は、駅前が開発によりスペースがなかったので20メートルとはいえホームを延長するのは大変な作業だったでしょう。

 2002年(平成14年)4月21日に、E231系500番台が投入されます。そして、2018年(平成30年)5月19日に現在の山手線を担うE235系が運行をします。この車両は、デビューした日にトラブルを起こすなど結構不運な車両ではあります。

 以上が、簡単な歴史の紹介です。実際、全部記していたら本が1冊書けるとも言われている山手線ですが、鉄道ファン的な視点で書いてみました。205系とE231系500番台の時代には、6扉車というラッシュ時には座席の使えない貨物列車のような車両もあったことを覚えている方も多いでしょう。

コロナ前とコロナ後の山手線の運転本数

 コロナ前には、ラッシュ時は1時間あたり約20本の運転がありました。1駅で5秒遅れると1本運転できなくなるといわれていましたが、コロナ後は1割程度本数を削減しました。当時は、利用者の減少にマッチしてましたので十分な本数でした(東京の人にとっては電車は待たなくて乗れるものだったので不便に感じた人はいましたが)。実際、輸送密度(山手線区間のみ)も1,121,254(2019年度)から720,374(2020年度)と64%に減っていますので妥当な改正だと思います。なお、以前最も混雑していた上野ー東京間は2015年(平成27年)3月14日の「東京上野ライン」開業によって大きく改善しているのでここでは取り扱いません。2023年度の輸送密度は942,961でありコロナ前の85%まで回復していますので現在、ものすごい混雑となっています。

今回の改正について

 プレスリリースでは、本数を増やしますとだけあり、詳細は書かれていません。1日内回り外回りそれぞれ10本の増発のようです。内訳は、朝3本夕方2本のようです。日中の時間帯は今のままのようです。昔ほどとは言えませんが十分混雑しているので1時間1本程度の増発を期待しています。2026年(令和8年)には、運賃値上げも予定されているので利用者の快適性を改善してほしいところです。JR東日本からみれば、コロナ前には戻らないと見ているのでしょう。短時間の乗車なので我慢してほしい、近郊区間への移動はグリーン車を使ってほしいというのが本音だと思います。

まとめ

 今回JR東日本は、不十分ではありますが山手線の増発をすることになりました。1日10本(内回り・外回りそれぞれ)です。多少は、混雑の解消となるでしょうが焼け石に水だと思います。また、来年の運賃値上げにより競合他社への移行がそれなりにあるでしょう。企業として費用と収入を検討しての結果でしょうからしょうがないといったところです。運賃値上げについては、サラリーマンは基本的に会社から全額出るのであまり意識はしないでしょうが、雇っている立場の人からは大きな問題です。現在の運賃制度の在り方を抜本から見直すいい機会だと思います。

 2月4日締め切りの「東京まるっと山手線」の紹介記事です。よければ、参加してみてください。あまり人気がないようなので(今朝6時に確認したところ、まだ募集人数が〇表示でした。)ひょっとしたらこれが最後になるかもしれません。

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