かつて山陽本線を走行していた快速「サンライナー」ですが、1989年のダイヤ改正で登場し、最盛期には、1時間2本の設定があり岡山と福山を結んでいました。しかしながら、利用率低迷が続き2022年3月のダイヤ改正により消滅してしまいました。ところが、227系500番台(Urara)の行先表示に「サンライナー」の表示があることが報告され復活するのではとの予想があります。そこで、「サンライナー」復活があるのか推測してみたいと思います。
サンライナーの概要
1989年3月のダイヤ改正により、「SUNライナー」の愛称で岡山ー福山間を結快速列車として115系と213系で運転を開始しました。213系での運用の際は1号車がグリーン車自由席として営業していました(2号車は指定席ではなく自由席)。その後、愛称が「サンライナー」に変更され本数も増えいきました。停車駅は、倉敷・新倉敷・笠岡・福山でしたが、利便性向上を普通列車の混雑解消のため増えていきました。1992年には、関西地区から117系6両編成が岡山電車区に転入し、4両編成に短縮され使われるようになりました。残りの2両は、115系に改造されK編成として活用されました。最盛期には、1時間2本の運転がありましたが、利用率低迷によりワンマン運転となりました。その後、徐々に数を減らし朝と夕方のみの運転となり2022年3月のダイヤ改正によりなくなりました。水曜日・休日には、115系で運転されることもありその際は、ヘッドマークを付けての走行でした。また、1997年のチボリ公園開園時には、「チボリ号」の名称で221系車両で姫路まで走行していました。
山陽本線の利用状況
2000年度から2021年度までの岡山県内の駅別利用者数の推移が岡山県のホームページで公開されています。
岡山県公式ホームページより
このグラフを見ると、岡山から新倉敷間では、利用者が伸びており、それより西の区間では現状維持あるいは減少傾向となっています。近年の金光駅行きの設定は、新倉敷駅での折り返し運転ができないためですが、北長瀬駅設置により4000人以上の利用者が新規に生まれたことも大きな理由と考えられます。実際に「サンライナー」に乗車すると普通列車よりも利用者が少なくラッシュ時でも快適な乗車できることが多かったです。この先、人口が減少していくことが確実ですが岡山市・倉敷市については、都市部ということもあり他の地域に比べその割合は小さくなるため大きくは利用は減らないと予想されます。また、笠岡駅は、福山経済圏にも属しているため岡山方面の利用者は、そこまで大きくありません。
倉敷ー岡山間は、伯備線の乗り入れもありますが、井原鉄道への接続確保および「やくも」号の運用の都合上増便は難しいため増便するためには、山陽本線で対応するしかない状況です。「サンライナー」の通過駅で需要を考案すると快速列車の増加よりも普通列車での対応が現実的ではないでしょうか。よって、定期列車としての「サンライナー」の設定は今後もないと推測します。
まとめ
近年の山陽本線の利用状況は、「サンライナー」追加駅も含めて、新倉敷ー岡山間で現状維持もしくは増加傾向であり新倉敷より西の地域では、減少しています。したがって、「サンライナー」の復活は難しいでしょう。ただし、行先表示に設定があるということは臨時列車等での運用は十分考えられるという結論に達しました。
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