JR吉備線(桃太郎線)については、2003年にJR西日本からLRT化について検討しているとの発表がありました。路線の電化・LRT化・BRT化の三案で検討がなされ、紆余曲折を経た後2018年に岡山市・総社市・JR西日本の間で合意がなされ10年間かけてLRT化することになりました。ところが、2021年に新型コロナの影響で計画は中断され現時点でも再開されていません。同様にLRT化を検討していたJR氷見線・JR城端線では、最終的に新型ハイブリッド気動車が選ばれました。岡山でも同様の形態が可能かどうか検討したいと思います。形体としては、新車の製造費の負担を想定しています。JR西日本は、2050年にカーボンニュートラルを目標としてかかげているためディーゼル燃料ではなく、水素を使用する燃料電池列車となるでしょう。
メリット
- 初期費用が抑えられる可能性
LRTの計画では、280億円の予定でJR西日本が58億円、岡山市が70億円、総社市が21億円となっているが、物価上昇の影響で工事期間が10年とするとかなり費用が増えると想定されます。一方燃料電池列車導入であれば、JR西日本への資金援助という形をとれば初期費用をかなり抑えられるでしょう。いずれは、キハ40系は置き換えられるため早いうちに自治体負担で車両を製造することでダイヤ編成に対しある程度の発言力を持つことも可能であると思います。
- 工事期間中の代替輸送が不要
吉備線の輸送密度は、2023年度で5477です。路線全体の数値しか公表されていませんが、岡山駅に近い部分では10000ぐらいと思われます。工事のため運休した場合のバスでの輸送量の確保はかなり厳しいでしょう。国道180号線の混雑もかなり酷いため定時性も確保も難しいです。運転手の確保に加え車両の確保も難しいと思います。
- 列車のスピードアップが可能
キハ40系は、加速が悪いため駅間距離の短い吉備線には不向きです。10駅あれば、それなりにスピードアップが可能でしょう。LRT案の7駅追加、さらに時速40キロメートルに制限される併用軌道部分ができれば、所要時間の増加は防げないのではないでしょうか。1編成あたりの定員が、LRTだと155人であり4両編成の車両の約500人と比べて3分の1になるため積み残しが発生し遅延が多発しそうな気がします。
- JRの運賃体系の維持が可能
LRT案では、2割程度の運賃値上げとなっていますがJR西日本では定期券の割引率が高いため2割以上の値上げになると予想されます。実際の金額を示してもらった上での検討が必要でしょう。また、吉備線以外からの乗り換え時の運賃についても扱いが知りたいです。
- 津山線への投入も
津山線は、高速化事業を行いましたがほとんどがキハ40系での運用のため十分に活用できていません。実際問題として、輸送密度3052と吉備線より厳しい状況にあるためこちらも併せて交渉するのも一つの手だと思います。
デメリット
- 大幅な本数増加が期待できない
すべての駅で列車交換ができないため、増発するためには限界があります。特に岡山駅と総社駅が問題になるでしょう。総社駅は、2番ホームがありますが、伯備線列車が使用することが多いため常時使える状態ではないです。1時間あたり3本が限界しょうか。
- バリアフリー化に対応できない
対応は難しいと思います。
まとめ
2018年時点から状況が変化しているため、費用等が分からなくなっているのが現状だと思います。私としては、燃料電池列車の試算も見てみたい気がします。所要時間のついては、17駅だと10分程度長くなる気がしますがどうなのでしょうか。氷見線・城端線でLRTを選択しなかった理由の一つに長期間の運休期間と輸送力の問題が挙げられていましたが、輸送密度の高い吉備線では大きな理由となりそうに感じますがその点も考慮した案の提示をお願いしたいです。
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