中速鉄道可能への壁 解決可能か考えてみる

スカイライナー 個人的な意見と感想

 CS放送で鉄道を取り扱っている「鉄道チャンネル」で石破首相が中速鉄道の可能性を政府レベルで検討するという記事が取り上げられていました。中速鉄道とは、時速160㎞~200㎞の速度で走行する列車を指しているようです。

中速鉄道の可能性を政府レベルで検討!? 石破総理が衆院予算委で言及 | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル
2025年2月26日の衆議院予算委員会の集中審議で、石破茂総理が鉄道ファンの一面をのぞかせる場面があった。中速鉄道(中速新幹線)をめぐる、政府姿勢についての福島伸享衆議院議員(有志
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中速鉄道とは

 京成電鉄が、成田空港への連絡線として運行している、成田空港線 印旛日本医大駅~空港第2ビル駅間「スカイライナー」、北陸新幹線金沢駅延伸まで北越急行が運行していた「はくたか」を想定していると思われます。実際には使われていませんが湖西線についても時速160㎞での走行が可能となるように設計されています。

有効性は

 整備新幹線の延伸が事実上困難な状況において、在来線の速度を上昇させるしかないと思います。その上では現在の時点で考えられる最高の方法だと思います。ただし、いくつかの解決すべき課題があると思います。

課題

  • 踏切をどうするか

 法令上の規定は撤廃されていますが、現状でも新幹線・踏切等のない区間などの条件を満たさないと列車は、600m以内に停止することが求められています。それを考慮すると中速鉄道を作るにおいてはアンダーパス等による踏切の廃止を行わないと、実現は難しいでしょうが多大な予算を必要とします。鉄道を高架にするのも多大な費用を要するため600mを伸ばすことでの対応となるのではないでしょうか。しかし、停止距離を延ばす場合は、踏切での道路の遮断時間が長くなり道路の渋滞を招きます。

 難しいように見えますが、私はそれについては鉄道の自動運転とのセットで解決を図ることが可能ではないかと考えています。どちらにせよ最終的には鉄道は恐らく無人運転となることでしょう。その場合、踏切の問題は結局出てくることになります。そこで、中速鉄道を導入する区間から順番を付けて踏切を廃止していけばうまくいくのではないかと考えます。

  • 工事期間中の代替輸送について

 次に問題と考えるのは、工事期間中の輸送についてです。中速鉄道を導入する区間は、それなりの規模の利用者がいる路線であると思われます。どれくらいの期間になるかは分かりませんがバス等での輸送が必要となります。今の、バスドライバー不足を考えると困難な課題であると言えるでしょう。

 この問題については、バスドライバーをある程度の好条件で国家公務員として採用して踏切等の工事と併せて地域を移動する方法を考えています。ただし、この方法を使うのであれば、路線の工事と併せた綿密な計画が必要となるでしょう。最終的にバスドライバーをどうするかという問題がありますが、無人運転とセットということを考えれば20年とか30年とかの期間では工事は終了しないでしょう。

  • 普通列車利用者の所要時間の増加について

 特急列車の速度が上がるので当然、特急列車追い越しの回数が増え所要時間の増加は避けられないと思います。本数の多い路線では、ダイヤの修正でもどうしようもないでしょう。これについては、利用者のご理解とご協力を求めるしかないと思います。

まとめ

 中速鉄道を実現するのであれば、綿密な計画が必要となりますが実現することは可能だと思います。現在の新幹線中心の計画を見直すのであれば検討の余地は十分にあると考えます。

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