「サンライズ出雲・瀬戸」は今後どうなるのか? 

285系「サンライズ」 車両

 現在、唯一の定期運転されている「サンライズ出雲・瀬戸」ですが、1998年(平成10年)に運行を開始してから27年になります。そろそろ後継車両についての話があってもおかしくない時期ですが、JRからの正式の発表はいまだありません。今回は、「サンライズ出雲・瀬戸」の今後について考えてみたいと思います。

「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の現況について

「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」のデータ

  • 運行開始 1998年(平成10年)7月10日
  • 運行区間 「サンライズ出雲」東京駅~出雲市駅 953.6㎞、「サンライズ瀬戸」東京駅~高松駅間 804.7㎞
  • 使用車両 285系0番台(JR西日本所有 3編成21両)、285系3000番台(JR東海所有 2編成14両)
  • 運転時刻
下り始発駅大阪駅着岡山駅着終着駅
サンライズ出雲東京 21時50分6時27分出雲市 10時00分
サンライズ瀬戸東京 21時50分6時27分高松 7時27分
サンライズ出雲91号東京 22時21分6時04分8時48分出雲市 13時32分
「サンライズ出雲91号」は、臨時列車です。また、「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は東京駅~岡山駅間は併結運転を行います。
上り始発駅岡山駅発大阪駅発終着駅
サンライズ出雲出雲市 18時57分22時34分0時33分東京 7時08分
サンライズ瀬戸高松 21時26分22時34分0時33分東京 7時08分
サンライズ出雲91号出雲市 14時05分19時32分22時29分東京 6時23分
「サンライズ出雲92号」は、臨時列車です。また、「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は岡山駅~東京駅間は併結運転を行います。

料金 (特急料金は通常期・寝台料金は「シングル」です。)

「サンライズ出雲」 東京駅~出雲市駅間 23,210円(運賃 12,210円・特急料金 3,300円・寝台料金 7,700円) 新幹線「のぞみ」と「やくも」利用の場合 22,260円

「サンライズ瀬戸」 東京駅~高松駅 22,650円(運賃 11,650円・特急料金 3,300円・寝台料金 7,700円) 新幹線「のぞみ」と「マリンライナー」利用の場合 19,590円

JR4社の考えは

以前、広島・下関から東京へ運行していた「サンライズゆめ」という列車もありました。

ここからは、私の推測ですので正しくない可能性もあります。

JR4社の運行距離

 正式には明らかにはされていませんが、他のJR会社線にまたがって利用する場合は路線距離で按分すると言われていますのでJR各社の距離を表にします。

JR東日本JR東海JR西日本JR四国
区間東京~熱海熱海~米原米原~出雲市米原~児島児島~高松
サンライズ
出雲
104.6㎞
(11.0%)
341.3㎞
(35.8%)
507.7㎞
(53.2%)
サンライズ
瀬戸
104.6㎞
(13.0%)
341.3㎞
(42.4%)
314.8㎞
(39.1%)
44.0㎞
(5.5%)

JR東日本

 大きな収入(料金の約1割程度)にもならず、「サンライズ」が遅れた場合(上り)にはラッシュ時にかかるため、ダイヤの調整が必要となり本音としては廃止したと考えているでしょう。また、車両使用料が発生することを考えるとメリットはほとんどないと思います。

 東京駅乗り入れについてはJR東日本の協力が必要なため、今後の「サンライズ」の運命を握っているともいえる存在です。もしかしたら、車両更新の話が出た時に反対の意思表示をする可能性があります。

JR東海

 他の列車に影響が及ぶ時間帯での運行ではないため、黒字であれば残したいと考えているのではないでしょうか。車両使用料・料金収入もそれなりの金額になるため赤字だとしても大きな金額にはならないと思います。「サンライズ」の利用者の大半は片道は新幹線利用だと思われますので、新幹線の料金で少しぐらいの赤字なら相殺できるでしょう。JR東海は東海道新幹線が大きな収入源ですので、「サンライズ」については特に重要視はしていないと思います。

 車両更新をする場合は、現況と同じ2本の所有となると思われます。最近の車両の製作費の高騰を考えると285系で寝台列車を終了したいと考えている可能性はあると思います。

JR西日本

 収支はともかくとして、「サンライズ」はJR西日本を代表する列車ですので今後も続けたいと考えていると思います。特に「サンライズ出雲」については、臨時列車を設定するくらいの人気があることを考えるとやめる理由はないと思います。むしろ廃止することによる企業のイメージダウンの方が大きいのではないでしょうか。

 車両更新については、現況と同じ3本の所有となるでしょう。車両の開発費・製作費次第では「285系」で定期寝台列車は作られない可能性もあると思います。また、国鉄から引き継いだ気動車の置き換えも今後必要となるため優先順位は低くなるでしょう。

JR四国

 「サンライズ瀬戸」については、観光客を四国に呼び込むための列車だと考えているのではないでしょうか。臨時列車として琴平まで運行区間を延長していることを考慮すると「サンライズ瀬戸」自体の収支についてはあまりこだわっていないような気がします。

 車両更新については、JR四国に負担はないでしょうから賛成の方向だと思います。

各社の事情を考えると

 「285系」が使用される間に、大きな動きはないと思います。状況が変わる可能性があるとすれば、新車の投入が検討されるときでしょう。今の車両の製作費から計算すると1編成あたり数十億円単位になることが予想されます。

 JR西日本は、今後キハ40系などの国鉄型気動車の置き換えが必要になってくるため予算の確保ができない可能性が十分あると思います。場合によっては、「サンライズ」による観光客増加の恩恵を受ける山陰・四国地区の自治体の補助金が必要になるのかもしれません。

まとめ

 寝台特急「サンライズ」は、現在の「285系」を使用しての運行であれば現状維持で進むでしょう。しかし、車両置き換えとなると結構ハードルが高いように思います。

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