増便を求めるなら東城駅の跨線橋を直しませんか?  3月26日第3回芸備線再構築協議会での要望について

芸備線キハ120系(広島) 芸備線

 2025年(令和7年)3月26日(水)に広島市で第3回芸備線再構築協議会が開かれました。すべてを紹介すると長くなりますので、国土交通省が「実証事業」として挙げている内容について私個人が思うところについて、書いてみたいと思います。芸備線を存続するのであれば、JRが行うだけでなく自治体もそれなりの負担をする必要があるように感じました。

芸備線再構築協議会について

国土交通省中国運輸局ホームページ

鉄道の運行形態改善

住民利用に合わせた列車の運行

 国土交通省の資料の中で、住民の21%がダイヤ変更・増便を求めています。住民サイドでは、往路が8時台~10時台、復路は15時台~20時台の要望が上がっています。また、特に18~20時台の備後庄原駅→備後方面、17・19・20時台の新見駅→東城駅方面の増便の要望があります。

 鉄道ファンの方ならご存じだと思いますが、現在「東城駅」の跨線橋は使用不可能になっており、備中神代駅~東城駅の間は、矢神駅のみでしか列車交換は行えないため増便に対し大きな支障となっています。本気で、増便をするのであれば、社会資本整備総合交付金を活用して、国1/3・自体1/3・JR1/3の負担で修理が可能な制度があるはずです。増便を求めるのであれば、まずここから手を付けるべきではないでしょうか。

東城駅

来訪者利用に合わせた列車の運行

 また。来訪者アンケートで、二市(庄原市・新見市)に到着する時間は10~12時台が最多だが、列車がないと書かれています。しかし、2000年度の時刻表を見れば臨時列車ながらその時間帯に芸備線の列車は運行しています。つまり不可能ではないということです。JRだけに負担を求めるのではなく、自治体・国も相応の負担をすべきだと考えます。

二次交通との連携強化

公共交通間の接続強化

 例えば、現状では庄原市(人口約3万人)では、午後8時以降のバス・タクシーの運行がなく、二次交通について脆弱な状態となっています。庄原市については、商工会などがオンデマンドバスを運行して対応している状況です。また、地元のバス会社も夜間のタクシー事業を行うと聞いています。行為や活動に対し補助を行い状況の改善を図る必要があると思います。国土交通省の検討については少し研究不足を感じました。

産業・観光分野における芸備線の活用

列車活用による観光需要の喚起

 どういった観光列車がいいかというのはありますが、鉄道ファンの視点で書かせてもらうと急行「たいしゃく」号のリバイバル運転が一番に頭に浮かびます。これも、ただ列車を走らせるのではなく、需要を予測しぎりぎり指定席が取れない状況を作り出し、知名度を上げての運行本数を調整しながら設定していくのが良いと考えます。車両については「みまさかノスタルジー号(キハ47系)」がちょうど津山にあるので使用させてもらえばいいでしょう。

 今回の「芸備線」の話とは異なりますが、同じく路線の存廃の話になるであろう「木次線」についても、新しいトロッコ車両を補助の下で製造し「奥出雲おろち号」の復活を希望します。やはり、三段スイッチバックは大きな観光資源の一つだと私は考えています。

イベント・ツアー・商品開発による観光需要の喚起

 こちらについては、決定的な案というのは思いつきませんが、木次線と一体での急行「ちどり」の運行がいいのではないかと思います。ただ、キハ47系で木次線の備後落合駅~出雲横田駅の間を運行できるかの問題があるのでそこについては検討課題だと考えています。

拠点としての駅舎・周辺施設の有効活用

産業・観光拠点の形成

 この問題は、基本的に自治体が考えることだと思いますが、芸備線の輸送量を考えた時「コワーキングスペース」、「インキュベーション施設」の誘致は、新見市・三次市ぐらいの条件が整った都市でなければ難しいのではないでしょうか。庄原市への誘致については、効果に疑問性を感じます。

自治体における地域活性化・移住定住・立地適正化施策の推進

移住の喚起

 全国レベルで進められている事業であり、庄原市・新見市で行っても成功するかどうかについては、正直な話不確定要素が多く、予想できないのが現状だと思います。長期的な話ではなく、1週間・1か月の単位で一時移住をする施設を建設し、その感触で今後の進め方を検討していくのが今の時点ではベストな方法だと思います。また、移住では車移動となり芸備線への利用の推進は難しいのではないのでしょうか。

まとめ

 今回は、少しまじめな話をさせてもらいました。観光列車については運転頻度が少し不足の状態を維持するのが結果として最大の効果を得られると私は考えています。後は、当事者の覚悟と行動次第だと思います。かなり記事しい状態の芸備線ですが、鉄道として残すのであれば既存の考えかたに取らわれない方法が必要でしょう。

 こういった状況もあるのでなかなか難しい話ではあると思います。

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