2025年度ダイヤ改正（広島・山口・山陰地区）　＃インバウンドよりも通勤・通学需要への対応

　昨年（2024年12月13日）に、プレスリリースされた2025年度ダイヤ改正（3月15日土曜日）から広島・山口・山陰地区について見てみたいと思います。インバウンドによる対応よりも通勤・通学需要にこたえる形のでの改正となっているようです。

2025年３月15日(土) ダイヤ改正（広島・山口山陰エリア）

JR西日本公式ホームページより

広島・山口地区

　新幹線については、下記の記事を見てください。臨時列車の増発（のぞみ3往復、さくら1往復、みずほ1往復）、1時間あたりの速達列車設定可能本数の引き上げ、のぞみ号自由席が1両減少そして、男女共用トイレに女性専用へ変更について説明しています。

2025年度ダイヤ改正（JR西日本　岡山・福山地区）　＃姫新線存続への試金石

2024年12月13日（金）にJRグループおよび智頭急行のダイヤ改正が発表されました。対象となるのは、山陽新幹線、山陽本線、瀬戸大橋線、姫新線です。また、瀬戸大橋線の227系500番台で運転される列車がワンマン運転になる模様です。

railfromokayama.com

2025.01.14

　今回のダイヤ改正では、平日・土曜日休日ともに需要にこたえた大幅な本数増加となっています。インバウンドだけではなく地元の利用者、特に定期外の利用の取り込みもねらった改正です。

山陽本線・呉線

• 平日夕方に列車増発と車両増結

　今回のこの地区最大のポイントとなっています。平日夕方に、山陽本線五日市駅ー呉線坂駅間の列車を5往復増発されます。宮島からは乗車できないためインバウンド客が少ないことで通勤・通学利用者にとって快適な利用が可能となるでしょう。また、パターンダイヤ化することにより利用しやすいよう改正されています。最盛期には、平日には、山陽本線が1時間6本体制（普通列車4本＋快速列車2本、呉線　普通列車）、呉線が1時間4本体制（普通列車3本＋快速列車1本）でしたが、相次ぐ減便・227系Red Wing投入による減車が行われてきましたがここで大きく見直すことになりました。該当地区の2000年と2019年の駅別乗車数を見てみましょう。

　コロナ前でインバウンドの多かった2000年度と2019年度を比較すると、今回の増発の対象の区間は利用者がのびており、「ミナモア」グランドオープンでさらに利用が増えると予想されています。広島カープの試合の日・大きなイベントの日などは、広島駅での積み残しが新聞等で取り上げられ問題となっていましたので妥当な判断だと思います。あえて、五日市市発としたのは観光客でよる混雑回避のためでしょう。

　また、データイムにおいて山陽本線で3両編成で運転される下りで９本、上りで8本の列車が増結されます。データイムの3両編成は、すべて4両以上になりそうです（9時から17時までで上り下りそれぞれ8本だと思いますが・・・）。岡山地区は、現在227系500番台（Urara）の投入により列車数に余裕がありますので、福山地区の227系（Red　Wing）を回すことで対応するつもりでしょう。

• 土休日の「シティライナー」増発

　土休日の快速「シティライナー」が、広島ー岩国間（岩国10時37発と広島16時24発）で1往復増便・白市ー西条間で運転区間の延長と40分弱の繰り上げ（西条10時32分発→白市→9時59発）されます。「ミナモア」の利用者の取り込みを図るためでしょう。こちらは、実態をみて来年度以降のダイヤに反映されると思います。

• 「うれしート」の設定拡大

　土休日の「うれし－ト」の設定が、岩国発広島行きで2本から5本に拡大されます。こちらも「ミナモア」対応と思われますが、宮島方面からの観光客用の設定は増えません。私は、宮島観光客の取り込みのため増やすと思っていましたが意外でした。

• 呉線「通勤ライナー」の海田市停車と普通列車の設定変更

　海田町では、山陽本線安芸中野ー海田市間に新駅設置の動きがあり需要がみこめっるおでしょう。また、平日に坂駅（21時28分発広島行き）を増発し広島発（20時35分発広行きを坂行きに区間短縮があります。

• 芸備線の下深川駅息を増発

広島（6時38分発）下深川行きの列車が増発されます。広島（6時57分発の三次行きの車両のうち下深川駅で切り離している4両のうち2両を使うものと思います。下深川（8時25分）発広島行きが4両に変更となりそうです。

山陽本線（山口地区）

• 山陽本線由宇駅発8時台列車の時刻変更

　由宇（8時37分発）岩国行きの列車を9時34分発に時刻の変更を行います。8時台3本・9時台1本から、8時台2本・9時代台本となり利便性が向上します。

・山陰本線（益田ー長門市）の東萩駅での接続を改善

　山陰本線で時刻変更を行い、東萩駅での乗り換えの改善が行われます。

　　益田（9時33分）発東萩行き→益田（11時37分）に変更し、東萩（13時05に接続）発長門市行きに接続

　　長門市（10時11分）発東萩行き→長門市（12時38分）発に変更し、長門市（13時17分）発益田行きに接続（土休日のみ）

　萩市は、市街地から駅が離れているためバスが必要であるため東萩駅の時間をそろえたものと思います。観光には、新山口からのバスが便利なため、山口線回りでの需要は少なく影響は少ないとの判断でしょう。

• 山陰本線仙崎支線の時刻の修正

　山陰本線仙崎支線では、朝の時間帯に4時間設定がないため上下2本ずつ時間を変更し、2時間間隔になります。

　　　長門市発（6時14分）→（6時31分）・（7時27分）→（10時10分）

　　　仙崎発（6時25分）→（6時42分）・（7時42分）→（10時21分）

　こちらは、列車間隔の均一化による利便性を図るためと思われます。

山陰地区

　プレスリリースには、特急列車（スーパーおき、スーパーいなば）について鳥取ー米子でワンマン運転になります。スーパーはくとは、編成が長いことおよび智頭急行の車掌が乗務することがあるため対象外となっています。これに併せて2024年12月15日に発表された鳥取ー倉吉間での自動改札を設置し、IOCCAが使用可能になる見込みです。倉吉ー米子間は、特急停車駅である伯耆大山・米子駅は既に対応済みであることから都市型ワンマンになります。特急券なしで乗車する人が増えそうな気がします。

まとめ

　JR西日本は、3月15日のダイヤ改正において、広島地区での増便を行います。また、パターンダイヤ化することで利便性が向上します。山陰本線山口県内で列車の接続をが改善されます。新たに鳥取ー倉吉間でのICOCAの利用が可能となります。広島地区は、数年後の広島駅北口の再開発を見定めてのことでしょう。