昨日(1月30日)にJR西日本は、「500系のぞみ」の復活運転をすると発表しました。新神戸ー博多間を2時間17分という1997(平成9年)時点でのギネス記録で新神戸ー博多間を3月9日(日)に運行します。そこで、途中駅でのダイヤを予想してみようと思います。
「のぞみ」とは
「のぞみ」は、1992年(平成4年)に、東京ー大阪間の飛行機利用者を東海道新幹線に呼び込むために東京ー新大阪間に設定された「ひかり」の格上列車です。当時は、1時間に1本の設定で全車指定席という特別な列車でした。「のぞみ」のために製作された300系車両を使い当時最速の時速270キロで運転していました。
翌年には、山陽新幹線の新大阪ー博多まで延長されました。当時は時刻表に、300系で運転される「ひかり」には、「のぞみ」用車両で運転と記されねらって乗車する人もたくさんいました。また、今より高い料金が設定され通常期で岡山ー東京間は17,690円(当時は「ひかり」だと16,360円)でした。料金が高いことと全車指定席のため車内は比較的空席が見られ、今とは全然違う雰囲気でした。乗車率向上を図るため、利用の少なった早朝の「のぞみ」には、とくとくきっぷを設定し、乗客数の向上をめざしていました。
500系の誕生
一般的に所要時間が4時間を切ると飛行機から列車に移ると言われています。そこで、JR西日本は広島ー東京間のシェア獲得のため、山陽新幹線区間で時速300キロで走行できる500系を開発しました。1997年(平成9年)3月22日から運行を開始し、最盛期には先行製作車1編成を含む9編成が「のぞみ」用として2時間間隔で運転されていました。独特の丸みを帯びた車体は、今での大変人気があります。また、伯備線では、停車駅の少ない「スーパーやくも」を500系に接続する列車を設定し山陰地区のシェア獲得にも乗り出しました。当時私は、かっこよさにひかれて500系「のぞみ」しか乗りませんでした。しかし、その栄光の歴史は長くは続きませんでした。
「のぞみ」からの撤退
2005年(平成17年)にJR福知山線脱線事故が発生し、列車の過剰なスピードアップに対する危惧・車内の快適性を追求する乗客のニーズ・500系の独特の形状によるダイヤが乱れた際の指定席の不足などの理由により、2010年には、東海道新幹線から撤退しました。700系の快適さのほうが乗客に喜ばれたということでしょう。そして、現在の8両編成へと減車され「こだま」の運用を担うようになりました。エヴァンゲリオン プロジェクト「500 TYPE EVA」や「ハローキティ新幹線」としての姿が若い人達にとっては500系のイメージでしょう。
現在では、「こだま」としての活用がメインですがまれに山陽新幹線内で「のぞみ」として走行することもあります。短編成化により最高速度が時速285キロになったことで、以前の快速ぶりは発揮できませんが独特のあるフォルムで駅を通過する姿は、インパクトある風景として知られています。そして、2024年(令和6年)2月14日のプレスリリースでついに廃車となることが決定し、2027年をめどに引退することになりました。
JR西日本ホームページより
500系のぞみ臨時列車のダイヤはいかに
今回発表のあった500系「のぞみ」ですが、新神戸(13時04分)発博多(15時21分)行きとして運行されます。そこで、ほぼ同程度の性能を持つ700系レールスターのダイヤから各駅の時間を予想してみたいと思います。当時(2000年)の時刻表では、新神戸ー岡山間が43分、岡山駅停車が1分、岡山駅ー広島間が37分、広島駅停車が1分、広島ー小倉間が55分、小倉駅停車が1分、小倉ー博多間を17分でで走行しています。小郡駅(現在の新山口駅)の停車によるロスを5分として計算すると所要時間は、150分(2時間30分)となります。実際は、路線改良の時短効果もあるので差の13分を考慮(距離に応じて案分)して計算してみます。
新神戸(13時04分)ー岡山(13時43分着13時44分)ー広島(14時17分着14時18分発)ー小倉(15時03分着15時04分発)ー博多(15時21分着)となりました。時刻表での数字遊びですが、どうなるでしょうか。詳細は、2月2日(日)11時以降発表されるようなので楽しみに待ちたいと思います。
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